こんにちは。とっしゃん23です。いつも当ブログを読んで頂きありがとうございます。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて今回は2021年12月21・22日に「特定化学物質・4アルキル鉛等 作業主任者」の講習を受講してきました。

講習内容ですが、配布されたテキストは500ページを超える膨大な内容で、修了試験に出題される部分を抜粋して教えてくれるので合格率も95%と高く、きちんと講習を聞いていれば落ちることはないと感じました。


ですが実際に受講した方の中には、長時間にわたる講習のため、受講中居眠りをしていた方もいたので数名(5名ほど)不合格になっていました。
講習会場:大阪・西九条「此花会館 梅香殿」


会場 席次表 (受講者 100名)

専門用語も多く合格率は高いとは言えど、講師の要チェックポイントを覚えないと修了試験に苦労すると思います。
これから受講される方には一発で合格して欲しいので、今回の講習内容と修了試験を合格するにあたり重要ポイントをまとめたので紹介します。
【特定化学物質・四アルキル鉛等 作業主任者の講習詳細】
【合格基準】
全講習科目の所定時間を修了し、修了試験において各科目40%以上、かつ総合で60点以上の得点で合格となります。
【受講料金(テキスト代・税含む)】
14,080円
【1日目】
① 健康障害及びその予防措置に関する知識:4時間
② 保護具に関する知識:2時間
【2日目】
③ 作業環境の改善方法に関する知識:4時間
④ 関係法令:2時間
※ 修了試験:1時間
① 健康障害及びその予防措置に関する知識
●呼吸器皮膚消化器があるがこのうち呼吸器を通って吸収されることが多い
●作業中に労働者が接する有害物の量に比例すると考えられこれを有害物に対する曝露量とする
●労働時間が長いほど環境空気中の有害物濃度が高い※大きくなり比例する
●著しい健康被害を起こさないと考えられる曝露量は曝露限界と言う
●曝露限界は1日8時間の労働中の時間加重平均濃度で表わされる
●許容濃度や管理濃度はあくまで管理する目安であり安全な濃度と危険な濃度の境界線とかここまで許される濃度と誤解してはいけない
【症状】
●局所腐食局所刺激
塩素、沸化水素、硫酸ジメチルなどが皮膚に付着すると皮膚が痛み、赤くなり水ぶくれ潰瘍などが見られる
●窒息
シアン化水素などは組織細胞の酵素に作用して窒息を起こす
●発がん性
クロム化合物、ヒ素化合物などの粉塵を長期間吸収することにより気管支や肺のがんを起こす
●肝臓の障害
水銀、ヒ素及びそれらの化合物、塩化ビニル、塩素化ビフェニル、フェノール、硫酸ジメチルなどは肝臓の障害を起こす
●造血系の障害
ヒ素及びその化合物ベンゼンなどは骨髄を侵す
●神経の障害
水銀、アルキル水銀化合物、四アルキル鉛、マンガン、溶接ヒューム、オルトールタロジニトリル、臭化メチル、沃化メチル、アクリルアミドなど多くの有害物は神経系を障害する
※特化則では発がん物質は特別管理物質に指定されている。発がん物質のうちベンジジン、ベーターナフチルアミンなどは製造使用が禁止されている
② 保護具に関する知識
⚫呼吸用保護具
・ろ過式‥‥酸素濃度18%以上のみ有効
・給気式‥‥酸素濃度18%未満でも有効
⚫取替え式防じんマスク
特徴
・ロッカー在吸排気弁などの部品交換をすることで常に新品時の性能を担保することができる
⚫使い捨て式防じんマスク
特徴
・使用限度時間になったら新しいものに交換する必要がある
⚫防塵マスクの選択にあたっての留意点
・防塵マスクの顔面への密着性の確認
⚫防毒マスク
種類‥‥隔離式
使用の範囲(ガス又は蒸気の濃度)
2%(アンモニアにあっては3%)以下の大気中で使用するもの
⚫吸収缶
・吸収缶はその種類ごとに有効な適用ガスが決まっており、外部側面が色分けされるとともに色分け以外の方法によりその種類が表示されている
有機ガス用‥黒
⚫ホースマスク
・肺力吸引形ホースマスクは原則として内径19mm以上長さ10m以下のものとする
・送風機は酸素欠乏空気、有害ガス、悪臭、ほこり等のない場所を選んで設置し運転する
⚫送気マスク使用の際の注意事項
・使用前は面体から空気源に至るまで入念に点検させる
・監視者を選任する。監視者は専任とし、作業者と電源からホースまで十分に監視できる人員とする。原則として2人以上とし、監視分担を明記しておく
・送風機の電源スイッチまたは電源コンセントなど必要箇所には「送気マスク使用中」の明瞭な標識を掲げておく
⚫溶接ヒューム
PFr:「要求防護係数」
PFr = C/0.05
※ C = 溶接ヒュームの濃度測定結果のうち、マンガン濃度の最大の値を使用
※0.05mg/㎥ = 「要求防護係数」の計算に際してのマンガンに係る基準値
⚫化学防護衣類など
・四アルキル鉛用の化学防護衣類については、四アルキル鉛が付着した場合に直ちに判別できるよう「白色」が望ましい
・「化学防護手袋」「化学防護服」「化学防護長靴」
③ 作業環境の改善方法に関する知識
【工学的作業環境対策】
・有害な化学物質そのものの使用を止めるか、より有害性の少ない他の物質に転換する(原材料の転換)
・生産工程、作業方法を改良して発散を防ぐ
・発散源となる設備を密閉構造にする
⚫排風量‥‥フードから吸い込む空気の量を「排風量」と言う
排風量計算式:排風量 Q (㎥/min)

⚫囲い式フード‥‥開口部に吸い込み気流を作って囲いの内側で発散した特定化学物質が開口面の外に漏れ出さないようにコントロールするもので、外の乱れ気流の影響を受けず、小さい排風量でより効果が得られる
⚫外付け式フード‥‥開口面の外にある発散源の周囲に吸い込み気流を作って、まわりの空気と一緒に有害物質を吸引するもので、まわりの空気を一緒に吸引するために排風量を大きくしないと十分な能力が得られない
⚫キャノピーと呼ばれる上方吸引型は、一見作業の邪魔にならないように見えるため乱用される傾向があるが、本来は熱による上昇気流や煙の発散源な上方で捉えるレシーバー式フードとして使われるべきものであり、空気より比重が大きい有害物質の蒸気、粉じんなどに対しては効果が期待できない
⚫作業環境測定
・作業環境測定士が作業環境測定基準に規定された方法で行うことが定められている
・作業主任者が作業現場の詳しい状況や作業内容などの情報を作業環境測定士に提供することが必要である
⚫第3管理区分は健康に対する影響も考えられるので直ちに原因を調べて改善する
⚫休憩室
・四アルキル鉛製造業務従事労働者専用のものとは限らないが、できるだけ専用の休憩室があるほうが良い
⚫四アルキル鉛を混入する業務
ドラム缶中の、四アルキル鉛を装置等に残らず吸引できる設備を設けること
④ 関係法令
特別有機溶剤の特殊健診30年
有機溶剤に定める特殊検診5年
⚫作業に従事する労働者が特定化学物質により汚染され又はこれらを吸収しないように作業の方法を決定し労働者を指揮する事
⚫局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置、排ガス処理装置、廃液処理装置その他労働者が健康被害を受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに点検する事(1年以内ごとに1回自主検査)
⚫特定化学設備又はその附属設備については2年以内ごとに1回自主検査
⚫事業者は石綿則について6月以内ごとに1回定期に第1類物質又は第2類物質の空気中における濃度を測定しなければならない
⚫四アルキル鉛の入れたタンクドラムなどがあるところに関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示する
⚫四アルキル中毒の恐れがある時は、直ちに、作業を中止し労働者を作業場所等から退避させなければならない
⚫事業者は、四アルキル鉛等業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する衛生のため特別の教育を行わなければならない
【以上】
以上の各科目を40%以上、かつ総合で60点以上の得点で合格となるので予習することをオススメします。修了試験は各科目5問出題で3択マークシート方式です。
⚫健康障害及びその予防措置に関する知識:30点
⚫保護具に関する知識:10点
⚫作業環境の改善方法に関する知識:30点
⚫関係法令:30点
例:各科目3問ずつ正解すれば合計60点で合格です。

合計得点が足りず不合格となった場合は、再度2日間の長時間にわたる講習を受講しなければならないのと、別途費用を支払わないといけないと言われたので一発で合格するようにしましょう。
最後まで長文を読んでいただきありがとうございました。
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